DAZN不払い報道 プロ野球へのダメージは?

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インターネット動画配信サービスの「DAZN(ダ・ゾーン)」が、新型コロナウイルス感染拡大により中止、中断となった試合の放映権料を支払わない意向を各スポーツ団体に通達したと報じられた。プロ野球に影響はあるのか。

英国を拠点とするDAZNは2016年にサービスを開始。米国、カナダ、日本など9カ国で展開しており、今年5月からは200か国以上への拡大を予定していた。放映権を保有するスポーツは大リーグ、サッカーチャンピオンズリーグ、F1、テニスWTAツアー、オートバイのMotoGPなどがある。日本ではプロ野球やJリーグを放映している。どのスポーツが支払い拒否の対象となっているかは明らかにされていない。

英メディアによると、新型コロナウイルスの世界的な流行により、DAZNは解約が急増。無給の休暇を取得するようにスタッフに指示したという。また、DAZNの最高経営責任者、サイモン・デニアはメールに「75年間でスポーツ界を襲った最大の災害であり、当社のビジネスが直面した最大の課題」と書いたという。

サッカーJリーグは17年からの10年間で2100億円の放映契約を結んでいる。J1優勝クラブは賞金3億円に加え、理念強化配分金として15億5000万円(3年間に分けて支給され1年目=10億円、2年目=4億円、3年目=1億5000万円)、さらに全クラブに支給される均等配分金3億5000万円の合計22億円が支払われるが、DAZNマネーが原資とされる。

村井満チェアマンは1日に「Jリーグは中止ではなく、延期している状況。リスクにさらされている認識は全くない」と述べたが、4日の夕刊紙は「中止された期間の放映権料は払わないが、再開日が設定された延期の場合は満額を支払う」との条項があるようだと、関係者の話として報じた。3日に、5月9日を目指していたJ1の再開時期を1か月以上先送りにすることを決めた。試合数が減る場合、大幅な収入減に晒される可能性が指摘されている。

野球の場合はどうか。JリーグはDAZNとリーグ全体で契約しているが、野球は広島を除く11球団ごとに、契約を結んでいる。DAZNが巨人に支払う放映権料は年間20億〜30億円とされる一方、他球団は5億〜10億円と言われる。ヤクルトは昨季、3億円の提示に激怒して契約しなかったとの報道もあった。

売上が球界一と見られるソフトバンクは、19年2月期の売上高は317.7億円だが、純利益は5.4億円。非公表の巨人、中日を除く10球団のうち、黒字は楽天とヤクルト以外の8球団で、直近の純利益は3.8億〜15億円だ。DAZNの放映権料の5億〜10億円は、決して小さな数字ではない。

今季はただでさえ、試合数の削減が予想される上、開催時にも収容人員の制限や無観客試合が検討されている。売上の3-5割を占めるとされる入場料収入とグッズ・飲食物の販売収入が大幅に減ることは間違いない。DAZNを含む放映権料が試合数に比例して削られるとすれば、各球団は安定した収入源を一気に失うことになる。

親会社に余裕がある球団は良いが、この状況下、親会社のビジネスも同時に傷んでいる企業は少なくない。「コロナ身売り」がらの球界再編といった事態まで考えられる。一日も早い開幕を願う気持ちは、ファンよりも経営サイドの方が切実かもしれない。

文・写真/BBNEWS編集部

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