「HRを打てるに越したことはないが・・・」矢野監督、近本に不満

阪神 中日 コラム・読み物

◆阪神2-10中日◆
耳を疑うようなセリフが矢野監督の口から飛び出した。

球団史上初の1試合2本の満塁被弾で大敗を喫した試合後、チームにとっては唯一の明るい材料、2号本塁打を放った近本について問われた時だ。「本塁打を打てるに越したことはないが、相手にとって嫌なのは塁に出ること。それプラスアルファのアピールポイントとして、長打を打てるという順番になる」と、褒めるどころか不満を漏らしたのだ。得点力不足が顕著の今、本塁打では点が入るが、近本が出塁しても返す人がいない。寝言は寝て言え、である。

阪神の1、2番は矢野監督が開幕カードを除きほぼ毎試合組み替えているが、そこで起用されているのは鳥谷、木浪、糸原、上本、そして近本だ。打率はそれぞれ143、100、200、167、300、盗塁は0、0、1,0、2だ。本塁打に至っては近本以外は0である。そもそも近本は現時点でチームの、打率・打点・本塁打・盗塁の四冠王だ。この日は盗塁で刺される場面もあったが、矢野監督は昨年の二軍日本一以来の積極走塁を今季の一軍でも継続する方針を示し、積極走塁のミスは問わないと言っていたはずだ。

得点力不足が課題の阪神だが、与えられた戦力でいかに得点を取るかは監督の腕の見せ所だ。しかし、最近の矢野発言ではそれを選手に転嫁する発言が目立ち始めた。選手を委縮させた前体制の反省から、今年は選手への当たりを柔らかくしているという矢野阪神だが、日替わりスタメンは降格・スタメン落ちした選手にとっては言葉よりも強烈なメッセージとなる上、指揮官がマスコミを相手に選手批判を繰り返す。ベンチが選手のモチベーションを下げてどうするのか。この日の敗戦で最下位、広島との差は1ゲームに縮まった。早くも昨年と同じルートに入ったように見えるのは気のせいだろうか。

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