西武2連覇!歴史に残る強力打線で最大8.5差からの大逆転Ⅴ

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西武が2年連続のリーグ優勝を果たした。勝因を分析する。

チーム防御率はリーグワーストの4.35。昨季打点王の浅村が抜けたにもかかわらず、打線が投手力をカバーした。打率.266、707打点はリーグトップだ。

歴史に残るほどの強力打線。100打点以上をマークしたのは中村、山川、森の3人いた。チーム100打点3人以上はパ・リーグでは03年のダイエーの4人(松中、城島、井口、バルデス)以来で、セ・リーグを含めて5チーム目だ。

「和製20発クインテット」も誕生した。山川、中村、森、外崎、秋山が20本塁打を超えた。20発以上5人は日本一になった08年の中村、ブラゼル、G・G・佐藤、中島、ボカチカ以来。今季は全員が生え抜きの日本人だ。日本人5人による20本は、パ・リーグでは初、両リーグでも2001年の巨人(松井、江藤、清原、高橋、仁志)以来18年ぶりだった。

7月9日の時点で、ソフトバンクとは最大となる8.5ゲーム差。だが、夏場に巻き返した。

7月15日からの後半戦の勝敗を見ると、7月は8勝5敗、8月は17勝10敗。9月は23日まで13勝6敗。8月18、19日に連敗したが、その後は9月21、22日まで連敗がなかった。

攻撃のポイントは四番打者だ。8月11日に山川を七番に下げ、代わりの四番に中村を置いた。得点圏打率.355、特に満塁では打率.531、49打点と勝負強い中村が、首位打者を争う三番の森と共に、打線を牽引した。

「もうちょっと気楽なところで」「山川はもう一人の四番」という辻監督の配慮で、低打率に苦しんだ山川も変わった。「全打席、本塁打を狙っている」と公言していたが、七番に下がって以降、追い込まれた時や得点圏では軽打するなど、状況に対応するようになった。

勿論、攻めるだけでは勝てない。投手陣のMVPは新助っ人のニールだろう。6月から、優勝を決めたこの日の試合まで11連勝を含み12勝。リズムの良いストライク先行の投球が光った。平井はパ・リーグ記録の78登板を更新した。昨季14セーブに終わった抑えの増田は30セーブ台に初めて乗せた。平良は豪速球で、終盤のブルペンを支えた。来季以降が楽しみだ。

昨季はクライマックス・シリーズでソフトバンクに敗れ、辻監督は涙を流した。今季は雪辱を果たすつもりだ。

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