西武・中村が400号、技で運んだサヨナラ弾

西武 オリックス コラム

◆西武5-4オリックス◆
西武・中村が延長十一回、400号本塁打となる今季15号のサヨナラソロ本塁打を放った。史上20人目。

高めに抜けたフォークをとらえた打球が、高い弾道で左翼席に到達した。打った瞬間に本塁打と分かる、中村らしい節目の一発だった。

お立ち台で振り返った。「はっきり言うと、何も考えていなかったです。久しぶりに芯に当たったので入るかなと思いました。シーズンに入る前からあと15本なのでもっと早く打ちたかったが、打てて良かったです」。

パワフルなスラッガーというイメージがあるかもしれないが、パワーより技術が際立つ職人だ。

打球にスピンをかけ、放物線を描いてフェンスを越す技術を持つ。トス打撃では、同じような放物線を延々と描く。長く続けている練習だ。

狙い球を絞り、来るまで待つ。ミスショットをせずにミートする技術は、高校時代から。

幾多のプロ選手を輩出した大阪桐蔭高の西谷監督は「空振りするのを見たことがない」と話す。

プロ入り後は空振りも三振も少なくないが、本塁打こそプロで自らが生きる道と自覚して、空振りしても一発を狙った。

本塁打王に6度輝いた。印象的なのは2011年だ。「飛ばないボール」に力自慢の打者が苦戦する中、中村はどこ吹く風。

スピンをかける技術で、ロッテの総本塁打数を上回る48本塁打を量産した。確かな技術は、ボールを選ばない。

「400号打てましたけど、まだまだもっとホームラン打てると思うんで、より一層努力して頑張っていきたいと思います」。

昨季の本塁打王・山川の台頭で影が薄くなることはない。35歳は衰えぬ技術で、本塁打をおかわりし続ける。

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