西武が本拠地メットライフドームの入場ゲートにカメラを設置し、「犯罪行為を犯す可能性の高い不審者」を検知する。来場者の身体の震動から判断し、トラブルを防止するとしている。
「DEFENDER-X(ディフェンダーエックス)」というサービスで、ロシア政府機関であるELSYS社の技術を基に立ち上げた日本法人の会社がカスタマイズしている。01年の米同時多発テロ以降に実用化が進んだという。チェチェン問題を抱え、シリアへ空爆したロシアは何度もテロの標的となっている。
サービスは監視カメラを通じて人が発している目に見ない振動を確認。不審者の判断材料となる攻撃性、ストレス、緊張度が一定レベルになった際に、不審者として検知する。10万人以上の実験データ、200以上のパターンに基づくそうだ。販売している警備会社のホームページには、検知した対象者に、「警備員などが該当者に声をかけたりボディーチェックをしたりすることで、犯罪の発生を未然に防止する」と書いてある。
球団は「今まで以上に入場をスムーズにするため、試験的に導入することになりました。来年からは入場ゲートも新しくなり、球場の改修も終了することから、より多くのお客さまが入場することが予想されます。今回の試験運用を検証して、来季導入するかどうかを検討します」とコメントしている。
ソチ五輪では来場者270万人のうち、不審者として2620人を検知した。そのうち8%は「判定エラー」。つまり濡れ衣だ。結果的に入場を拒否された約2400人の内訳は、禁止物の持ち込みが72%、「異常行動」が8%、チケットなしなどが20%。西武も「不審者」の入場を拒否するのか。
日本では伊勢志摩サミットやラグビーワールドカップの天覧試合、横浜フェリーターミナルに設置した他、銀行、レジャー施設、駅、ショッピングセンター、工場で稼働しているという。
実施期間は20~22日、27~31日の8試合。何人の「不審者」が検出されるだろう。
文・写真/BBNEWS編集部