矢野監督の奇策も不発、阪神が借金生活に転落

阪神 中日

◆中日1-0阪神◆
阪神がドリスの暴投でサヨナラ負け、5月2日以来の借金生活へ転落した。

中日の先発・柳は今シーズンすでに2敗、防御率0.93に抑えられている天敵。少ないチャンスに矢野監督は“奇手”を次々と打ち出したが、空振りに終わってゼロ封負けを喫した。

三回まで完全に抑えられる苦しい展開の中、四回、先頭の近本が出塁すると、続く糸原の打席で初球から走らせたが盗塁死。近本は4月13日にも加藤に刺されているが、攻めの采配が裏目に出た。続いて動いたのは八回、一死から高山がこの日2安打目を放つと代走江越を送り出して勝負をかけた。8番木浪に一死から送りバントを命じ、送り出したのは代打鳥谷。今季打率.130、打点0と低迷する鳥谷をあえて起用したが、3球目に三邪飛を打ち上げ、奇策は不発に終わった。そして延長十一回、一死二塁で今度は近本に代えて“切り札”原口を送り出す。が、ここも遊ゴロに倒れ得点はできなかった。近本に代打を送り出したことで、その裏の守備は中堅に内野手の植田、遊撃の木浪がセカンド、遊撃に北條が入った。一塁には大山、三塁には糸原と、北條以外の内野手と中堅手が全員本職以外の守備位置という変則布陣だった。

矢野監督は試合後「自分のなかで現状で一番、点取れることを選択してやったつもり」と悔し気に振り返ったが、「貧打」と「守乱」の二つの課題には今後も悩まされそうだ。

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