侍ジャパンのソフトバンク・甲斐野央と広島・會澤翼。一歩間違えば命を落としかねなかった因縁のあるバッテリーがベネズエラ戦の八回をゼロ封し、逆転劇を呼び込んだ。
3月24日のオープン戦で、甲斐野の剛球が會澤の顔面を直撃する危険球となった。退場する際には、帽子を脱いで深々と頭を下げて謝罪の意を示した。
試合後は「本当に申し訳ない」と青ざめ、直接の謝罪を望んだが会えずに終わっていた。
その後、謝ったのかは定かでなかったが、この日はバッテリーを組んだ。「會澤さんのミットをめがけて、自分のボールを投げようと思い、マウンドに上がっていました」。
ヘルメットではなく、曾澤の「ミット」をめがけて全力投球。三者凡退で流れを引き寄せ、その裏の大逆転劇に繋がった。
プレー、コメントを見る限り、2人の間にわだかまりは存在しないようだ。甲斐野は真摯に謝罪、會澤は気持ちよくそれを受け入れたに違いない。