平成最後の開幕3連戦を終えた。昨季から導入された「リクエスト」と「申告敬遠」をまとめてみた。まずはリクエスト編。
判定に異議がある際に監督が映像による検証を要求できる「リクエスト」。18試合で10回のリクエスト要求があり、成功は2回。サンプル数が少ないので一概に低いとは言えないが、昨季の成功率33.7パーセントを下回っている。
30日の広島戦で「今季1号」となる成功を決めたのは巨人・原辰徳監督。4年ぶりに監督に復帰したため、自身初の成功だ。
場面を振り返ってみる。
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3月30日広島−巨人戦
五回裏、先頭の安部が二塁ゴロを放ち、一塁へヘッドスライディング。ベースカバーに入ったヤングマンより早いセーフの判定に、巨人・原監督がリクエスト。リプレー検証でアウトの判定に覆り、先頭打者の出塁を防ぐ。
場面 広1ー2巨 五回裏無死走者なし
監督 原
結果 成功
試合結果 広2-5巨
審判 一塁塁審森
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もう1つの成功は栗山監督。31日、4度目のトライでようやく成功したが、栗山監督より先に、盗塁死と判定された西川遥輝が栗山監督にジェスチャーでリクエストを要求し、話題になった。
その場面はこちら。
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3月31日 日本ハム−オリックス戦
同点で迎えた三回裏一死から一塁走者の西川がスタートを切る。タッチアウトの判定に栗山監督がリクエスト。リプレー検証の結果、二塁はセーフに。二死後、近藤の適時打で西川が生還し、日ハムが勝ち越し。
場面 日1-1オ 三回裏一死一塁
監督 栗山
結果 成功
試合結果 日3-1オ
審判 二塁塁審橋本
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昨季は858試合で505回のリクエスト要求があり、成功が170回、失敗が335回。1.7試合に1回のペースなので、18試合で10回の今季はほぼ同じ頻度のスタートとなった。
「リクエスト」は本塁打かどうかの判断や全ての塁でのアウト、セーフの判定に対して使うことができる。
監督が権利を行使できるのは九回までに2度、延長戦では1度。判定が覆った場合、回数は減らない。
審判員は控室でテレビ中継の映像を確認し、5分以内に結論を出す。検証中は球場の大型ビジョンで同じリプレー映像を流すことができる。
日本野球機構(NPB)は「ファンや選手、監督が満足できる公平な判定を目指すとともに、過多なリプレー検証要求を減らしテンポのよい試合を展開することが目的」と説明する。
それに照らすと、権利とは言え、趣旨から外れていると思われかねないリクエスト要求もあった。
例えば30日のラミレス監督だ。場面を振り返る。
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3月30日DeNA−中日戦
中日が7点リードの七回表、一死一、三塁から阿部の遊ゴロが併殺崩れとなった間に三塁走者が生還。ラミレス監督が一塁セーフの判定にリクエスト。リプレー検証の結果、リクエストは失敗。中日が1点を追加した。
場面 De1ー8中 七回表一死一、三塁
監督 ラミレス
結果 失敗
試合結果 De1-9中
審判 一塁塁審西本
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追加点を防ぐ意図があったとは言え、7点差の場面での要求には首を傾げたくもなった。
勝敗を左右するポイントとなるリクエスト。怜和も引き続きウォッチしていきたい。