巨人・原監督が「賭けゴルフ」を常習的に楽しんでいたと、週刊新潮が25日発売号に掲載した。原監督は球界随一の腕前で、ハンデはシングルと知られている。
記事は「原監督と十数年前からラウンドしてきた50代男性」の話をメーンに構成されており、男性は1日最高150万円、総額数百万円を原監督に持っていかれたという。
賭けゴルフのルールは基本的に「5.10.2(ゴットーニ)」。ストローク一打につき5000円で、10打差なら5万円。さらに1ホールにつき1万円(10×1000円)で、全部負ければ18万円。ハーフの勝敗ごとに2万円。
原監督の場合はギャンブル性の高い特別ルール「ラスベガス」が加わり、ゴットーニと合わせて100万円近く動いたという。
ラスベガスは、ラウンドする4人をAとBの2組に分ける。Aの1人が3打、もう1人が4打で上がれば「34」とし、Bが4打と5打なら「45」で差が11となる。ダブルパーを叩くと一の位と十の位を入れ替えるため、3打と6打なら「36」でなく「63」にする。原監督の場合、レートは一打1000円だった。
さらに原監督はエイジシューター(自身の年齢以下のスコアで18ホールをアウトしたプレイヤー)の会社社長と常に上級者によるコンビを組むようになり、「いんちきラスベガス」だったと書いている。
現金精算が基本で、原監督は勝った時はタオルやノートに包まれた現金を受け取り上機嫌だが、負けたら不機嫌。支払わずに帰り、会社社長が払っていたという。
記事ではまた、スポーツ紙デスクの話として、コーチが「賭けゴルフで50万円負けた」と00年代後半に話していたとも紹介している。
15年秋以降、野球賭博に笠原将生、高木京介ら4選手が関わっていたことが発覚。巨人は選手、スタッフら300人への「内部調査」を実施し、賭けゴルフは42人が経験あり回答したが、当時の指揮官である原監督を含め、「野球協約違反ではない」として名前は公表されていなかった。
逮捕された笠原は退団。連続無敗記録保持者だった高木は、賭博への関与の度合いを理由に復帰している。
巨人は記事の内容を否定しており、24日に記事の取り消しと謝罪を要求した。「荒唐無稽な事実無根の内容で構成されている」と主張している。
原監督はかつて、遠征先のチーム宿舎の従業員を妊娠、堕胎させたことなどを日記に書かれ、日記を暴力団関係者から買い取るのに1億円を支払ったと週刊誌に掲載された。巨人は週刊誌に損害賠償請求訴訟を起こしたが、2016年に敗訴が確定した。
判決によると、週刊誌は原監督が過去の女性問題に絡み元暴力団員に1億円を支払ったとの記事を掲載。暴力団員と知って金を渡した場合は野球協約違反となるため、巨人側が記者会見で「反社会的勢力ではない」とうそをついたとも報じた。また、判決は「巨人の担当者が会見で虚偽の説明をしたと推認できる。記事の主要部分は真実だ」とした。
◆以下は複数メディアに送られた巨人の発表文
週刊新潮の報道に対する抗議書の送付について
6月25日に発売される「週刊新潮」(2020年7月2日号)に「『原』監督 常軌を逸した『賭けゴルフ』」とする記事が掲載されることが分かったため、当球団が事実関係を調査したところ、本件記事は、告発者とされる男性の虚言を中心に、荒唐無稽な事実無根の内容で構成されていることから、当球団は本日24日夕、株式会社新潮社と週刊新潮編集部に対し、代理人弁護士を通じて厳重に抗議するとともに、本件記事の取り消し及び謝罪文の掲載を要求しましたので、お知らせします。
本件記事は、「十数年前から一緒にラウンドしてきた50代の男性」(以下「当該男性」といいます)の証言を根拠に、原監督が高額の賭けゴルフを繰り返してきたと指摘していますが、そのような事実は一切ありません。そもそも本件記事に掲載されている原監督と当該男性のツーショットの写真は、2007年12月に撮影されたものですが、その後、当該男性はゴルフ仲間と音信不通になっており、当然、原監督もこの10年以上、当該人物に会ったことすらありません。本件記事は、このような当該男性の
証言のみに依拠し、これを否定する当球団の回答を一方的に無視しており、裏付け取材を一切行っていない悪意に満ちた記事と言わざるを得ません。
また、本件記事では、「常習賭博『笠原事件』の土壌を作ったのは親分『原辰徳』」
などの見出しを掲載し、原監督が賭けゴルフを繰り返していたことを前提として、「ギャンブルに寛容なチームの風土をすすんで醸成してしまった」などと記述していますが、野球賭博事件は、逮捕された当球団の元選手がチームメイトを野球賭博に誘い込んだことが東京地裁の判決でも認定されており、それを原監督と強引に結びつける見出しは、原監督の名誉を著しく毀損するものです。
当球団は昨日23日、週刊新潮編集部に対して「原辰徳監督が知人と高額な賭けゴルフをした事実は一切ありません」と回答した際、悪意ある虚言に基づく記事を掲載しないように警告しましたが、それにもかかわらず、週刊新潮編集部が本件記事の掲載を強行したことは甚だ遺憾で、速やかに本件記事を取り消し、謝罪文を掲載するよう求めた次第です。
文/BBNEWS編集部 写真/BBNEWS