阪神が対広島戦6連敗を喫した1日の広島―阪神戦の試合中、矢野監督がヤジを飛ばすファンに対して激昂して言い返す場面があった。
甲子園で巨人に2連勝して2位に浮上して敵地・マツダスタジアムに乗り込み、ここで3連勝すれば首位に並ぶという状況で初戦は完敗。1日の2戦目は、ここで負ければズルズルと引き離されかねないという正念場だったが、福留・糸井を欠く打線は天敵・ジョンソンに苦戦した。先制点を奪われ、点差を詰めた直後に追加点を奪われるというフラストレーションのたまる展開の中、事件は起きた。
先発・岩田が六回に2点を奪われ、矢野監督が投手の交代を告げてベンチに戻ったところで、ベンチ上のスタンド最前列に座る男性ファンから「お前が早く代えないから打たれたやろ！早く代えとけや！」というヤジが。甲子園でもっと痛烈なヤジを浴びている虎将がなぜかここで激昂し、厳しい表情で客席に向かって言い返した。男性ファンも負けずに頭を指差すなどの挑発的なしぐさを見せたが、矢野監督はベンチへと戻った。が、その表情には明らかにいら立ちが浮かんでいた。
試合後、この場面を「まだ球数的にも難しいと思っていない。俺は岩田に任せようと思っていた」と振り返り、迷いはなかったことを強調した矢野監督だが、五回からやや制球が甘くなり2点を奪われた次の回だっただけに、代え時を誤ったという思いがどこかにあったのかもしれない。