さすらいのロッテ・・・実戦行脚は吉か凶か

ソフトバンク ロッテ コラム

石垣島のキャンプを11日間で打ち上げたロッテが、異例ともいえる多くの試合数をこなす。23日までの7試合は6勝1敗。調整段階とはいえ、他チームよりも実戦に慣れているのは間違いなさそうだ。井口資仁監督の試みは吉と出るか、凶と出るか。

ロッテは昨年まで、石垣島で20日程度のキャンプを行い、沖縄本島でのオープン戦を2試合行ってから千葉に戻るのが慣例だった。今年は方針を大転換。初日に紅白戦を行ったほか、2月だけで14試合も練習試合を組んでいる(雨天中止も含む)。新人の藤原恭太を始め、主力の中村奨吾や井上晴哉、新外人のバルガス、期待のスラッガー安田尚憲は石垣島を離れ、沖縄、高知、宮崎と続く練習試合の旅に出ている。藤原や安田は定位置をつかむため、実戦を通じてアピールしているのだ。因みに、首位打者のタイトルを二度獲得した角中勝也らは、二軍がキャンプを続ける石垣島に残って調整している。

巨人、広島、楽天など、一次キャンプと二次キャンプを別の場所で行うチームはある。だが、どのチームにも練習拠点がきちんとあり、試合後でも打ち込んだり、特守をしたりしている。試合後にはフリー打撃が必ず行われているし、キャンプ地が近ければ、試合後に戻って室内練習場などで打ち込める。

一方のロッテはどうか。球団関係者によると、試合相手の練習施設を借りるなどして、試合前や試合中に練習しているそうだが、練習量は間違いなく例年より減っているという。ある日の練習試合後は、中村ら主力が素振りをしただけで帰って行った。

実戦を多くこなせば、試合勘が養われるというメリットが挙げられる。だが、某球団の元トレーニングコーチは「野球は戦術的負荷を高めにくいので、実戦の機会をかなり増やさないと、フィジカル的に物足りなくなる」と指摘し、こう続ける。「試合勘や目が慣れる、を通り越すぐらいに負荷を与えないと、(フィジカル的な)ピークを早く迎えるだけだと思う」。つまり、よほど多くの実戦をこなさない限り、ペナントレース中にコンディションの低下が懸念されるというのだ。

体力強化に力点を置き、走り込んだソフトバンクと、「実戦主義」のロッテ。唯一と言えるであろう取り組みをした両チームのシーズンでの戦いぶりを注視したい。