ニセ侍たちの”サバイバル”を検証する

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日本代表「侍ジャパン」は10日の強化試合に勝ち、メジャー不在で時差ボケのメキシコ相手に1勝1敗として何とか面目を保った。「若き侍たちのサバイバル」とテレビ局は散々に煽ったが、侍と呼ぶに相応しい選手が何人いたか。主力に怪我が相次いだ場合を除いて、今秋のプレミア12や来年の東京五輪にはどう考えても呼ばれないであろう選手も少なくない。2試合の結果を踏まえて、「サバイバル」を検証する。

スタメンを張った選手の中で、まず出番がなさそうなのが吉川尚輝だ。巨人では二塁を守る吉川だが、10日はなんと遊撃で出場した。

遊撃は巨人・坂本勇人、広島・田中広輔、西武・源田壮亮、さらにはソフトバンク・今宮健太と有力選手がひしめく。二塁もヤクルト・山田哲人、楽天・浅村栄斗がいる。広島・菊池涼介もメジャーに移籍しなければ有力候補だ。

だとすると吉川尚、そしてロッテ・中村奨吾も呼ばれる可能性は極めて低い。稲葉篤紀監督が高く評価する西武・外崎修汰も二塁と外野を守れるとすると、「控えの控え」にすらならない。

中日・京田陽太はさらに厳しい。9日には2点を追う九回に右飛で一塁からタッチアップして憤死し、試合を終えるボーンヘッド。ロースコアになりがちな国際舞台では、怖くてとても使えない。脚と守備が売り物ではないのか。いつかのWBCで、内川聖一が飛び出して敗退した場面を想起したのは、私だけだろうか。

そもそも京田は、ドラフト1位の根尾昂とポジション争いをすると予想されていたレベルの選手であり、所属チームでの「サバイバル」に勝つのが優先事項だろう。

過去のWBCや五輪では、「繋ぎの四番」がいた大会は優勝している。09年WBCの稲葉監督、06年WBCの松中信彦が好例だ。本塁打で打ち勝った大会はない。であれば、大砲候補も多くは要らない。そのことは、四番を打っていた稲葉監督自身が一番良く理解しているはずだ。

となると、阪神・大山悠輔やヤクルト・村上宗隆はどうか。村上は課題のある三塁守備に目をつぶらねばなるまいし、2人に西武・山川穂高や国際舞台の経験がある日ハム・中田翔を上回るほどの打力があると言えるか。答えは言うまでもないだろう。村上の悪送球には驚いた。五輪は時期尚早、次回のWBCに向けて精進して欲しい。昨年ブレイクした巨人・岡本和真と2試合で打点を挙げたオリックス・吉田正尚は怪我さえなければ選ばれる可能性があるか。

投手陣はもっと酷い。キャンプ中からピリッとしない巨人・田口麗斗はチームでのローテーション入りも危ういので論外である。田口本人も、ローテ入りを争う同僚の今村信貴がオープン戦で好投した日に、果たして代表で投げたかったのだろうか。

ヤクルト・梅野雄吾は昨季の防御率は7点台とめちゃくちゃだが、メキシコ戦でも失点した。初対戦では投手が圧倒的に有利な筈だが…。

オリックス・山本由伸には期待したいが、先発転向がマイナス材料になりかねない。短いイニングなら持ち味の速球が活きるが、先発に回れば球速は自ずと落ちるだろう。

今回の投手陣で選ばれてもおかしくない実績があるのはDeNA・山崎康晃とソフトバンク・森唯斗ぐらいか。それ以外は、下手投げ故に可能性のあるソフトバンク・高橋礼も含めて、レギュラーシーズンでの猛アピールが必要だろう。

それにしても、人数合わせで呼ばれた選手達が、あたかも生き残りをかけた争いをしているかのように何度もアナウンスするのは、客や視聴者、対戦相手にも失礼ではないか。中継したテレビ局は「次世代の四番」のアンケートも取っていたが、東京五輪は来年だ。極めて近い「将来」であり、育成を待っているタイミングではない。

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