昨季は故障に苦しんだソフトバンク柳田悠岐が今季、首位を走るチームを牽引している。昨季オフに7年契約を結び、「生涯ホークス」を決めたと思われたが、大リーグへ移籍する可能性があると、23日の夕刊紙が報じている。
球団OBの話として書いている。「チーム内でこんなウワサが飛び交っているという」「どこまで本気か分からないけど……」とした上で、こう続く。「今オフ、球団がポスティングの許可を出す可能性があるというのです」
理由も述べている。「今季は新型コロナウイルスの影響で収入が大幅減」「ソフトバンクは独立採算制。親会社の補填は一切ない。コロナ禍で総年俸が大きなダメージ。観客5000人では柳田を養えるか」とした上で、こう結んでいる。「強制ではないにせよ、『ポスティングをしたければ認める』くらいのことは言う可能性はあります」
柳田は順調にいけば20年オフに海外FA権を取得予定だったが、昨季は左足を痛めてレギュラー定着後は最少となる38試合の出場にとどまった。それを踏まえて結んだ7年契約は、昨季までの年俸5億7000万円プラス出来高の4年契約がベース。さらに23年オフにその後3年の契約を見直す。夕刊紙は年俸の総額が40億円を超え、さらに出来高が加わることにも触れている。
球団の6月の決算公告によると、19年度の純利益は5億3700万円。今季は入場料収入などが減るため、20年度はどうなるか。
柳田は昨オフの契約後に「来年(20年オフ)、海外FA権が取れると思って3年契約を結んでいた。今年、ケガで取れなくなって、その時に球団からお話をいただいて、そういう運命なのかなと思った」。7年契約の終了後は「フィニッシュです。そこまで決まっています」と引退する考えを示し、「生涯ホークス」は決まりかと思われていた。
かつては大リーグ志向を名言し、日米野球では特大ホームランもかっとばした。復活を期す今季は23日まで打率.371でオリックス吉田正尚の.372に次いで2位。18本塁打も日本ハム中田翔に次いで2位につけている。
さらに光るのは出塁率.488で、両リーグトップ。最高出塁率のタイトルは15年から4年連続で獲得しているが、それ以上の数字を今季は残している。
ケガをしたのに長期契約を提示されたことを「運命」と表現したなら、コロナウイルス感染拡大による球団の収入源も、「運命」と捉えるか。
大リーグもコロナウイルスの影響は受けており、ソフトバンクはこれまでにポスティング移籍を認めた例はない。エース千賀滉大は度々、ポスティング移籍を球団に要望しているが、前向きな回答は得られていない。和田毅は海外FA権を行使して大リーグへ挑戦した。
因みに、書いたのは日刊ゲンダイ。火のないところに何とやら…だが、噂が現実になるかは今オフには分かる。
文・写真/BBNEWS編集部
◆柳田悠岐
背番号 9
カナ ヤナギタ・ユウキ
出身校 広島経大
誕生日 1988年10月9日
年齢 31
血液型 AB
身長 188
体重 96
所属履歴 広島商―広島経大
キャリア 10年
投打 右左
ドラフト年度 10
ドラフト順位 2
公式戦初出場 11年5月8日日本ハム=札幌ドーム
年俸 5億7000万円
昨季年俸 5億7000万円
タイトル (優)15(首)15、18(出)15~18(ベ)14、15、17、18(ゴ)14、15、17、18
家族 既婚