阪神釈明は「ピンボケ」矢野監督”オキニ”と会食で窮地に

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阪神がまた的外れな対応で矢野監督が窮地に陥った。

阪神は12日、矢野監督が球団内規に反して大人数で会食したという夕刊フジの記事について「一部報道にあった矢野監督の会食については、事前に球団本部の責任者が相談を受け、チームの外食許可日かつ比較的感染者数の少ない広島での開催であり、監督のチームマネジメント、チーム力強化に資する内容と判断したため、球団として許可を出しました」と説明、つまり「問題ない」という認識を示した。

だが、ちょっと待ったである。この説明を見る限り、阪神は「会食は許可日のみ」「4人まで」「同ポジション禁止」といった内規の目的を理解しないまま、ただNPBや他球団に倣って「作ってみた」程度の危機管理をしているとしか思えない。

各球団がこうした規定を設けているのは、言うまでもなく新型コロナウイルスの集団感染を防止するためだ。どんな理由があろうと、集団感染のリスクを避ける工夫は必要だ。仮にチーム内で壊滅的なクラスターが発生した場合、最悪の場合はリーグ中断・打ち切りという事態もあり得る。だからこそ、NPBや他球団は懸命に対策をしているのだ。


その感染拡大防止対策を「チームマネジメント、チーム力強化に資する」「許可を出していた」という理由でチャラにしていいはずはない。それで免罪されるのならば、福留・糸原らの「8人会食」も、岩崎・馬場らの「4人会食」も、経験豊富な先輩選手が後輩に貴重なアドバイスを送る立派な「チーム力強化に資する」機会だ。許可を取れば「不問」、無ければ「制裁金」という区別は、球団内部の規律違反に対する処分としては妥当かもしれないが、対外的な「新型コロナ対策」としては全く理屈になっていない。問われているのは阪神がNPBの一構成員として、どれだけ新型コロナに真剣に向き合っているのかの1点だ。つまり、このご時世の中で大人数での会食を企図した矢野監督の判断力、そしてそれに許可を与えた球団の判断の是非が問題であり、球団内の規律違反などは二の次の話だ。


さらに、夕刊フジが同席者として例示したのは「売り出し中の若手野手」「指揮官が評論家時代から野球センスを褒めていた捕手」。前者は小幡、後者は坂本と思われるが、2人とも矢野監督の「お気に入り」であることは周知の事実だ。他にどんなメンバーが参加したのかは不明だが、監督が率先して内規違反の人数の「オキニ」を引き連れて飲食した事実が、チームのタガを緩め、「8人会食」の伏線となったことは想像に難くない。

フジが報道した当初は静観していた大手紙やNHKも、阪神のお粗末な釈明を見て一斉に矢野監督の「大人数会食」問題を報じる事態となった。藤原崇起オーナーはその後、「(続投方針は)もちろん全く変わっていません」と監督去就問題の火消しを図ったが、そこで挙げた理由はやはり「球団が容認した会食であり、ルール違反ではない」というもの。オーナー自身が問題の本質を見誤っている。


フジの報道は、球団内部の「野党」つまり、中日時代の同僚ばかりを重用する矢野監督に不満を募らせる「生え抜き派」のリークであることは明白だが、下手な釈明で世論の“潮目”が変わってしまったことで、今後、「矢野辞任」を求める声は勢いを増すだろう。現フロント陣との折り合いが悪い岡田彰布元監督にとっては、返り咲きの千載一遇の好機となっている。


3月に藤浪・伊藤隼・長坂の3選手がタニマチ主催の“コロナ合コン”で感染、NPBの今季全日程に影響を与えた“前科”を持ち、今回の集団感染では揚塩球団社長のクビを差し出す事態になったにもかかわらず、阪神球団の危機管理には全く進歩が見られない。これまで阪神電鉄に球団運営を「一任」する立場を貫いてきた親会社の阪急阪神ホールディングスだが、企業としては鉄道、百貨店だけでなく劇場、映画館などを抱えており、人一倍「コロナ対策」に敏感にならなけれなならない業態。いつまで阪神の体たらくに手をこまぬいていられるだろうか。監督人事にも直結する球団幹部人事、意外な急展開もありそうだ。

文・写真/BBNEWS編集部

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