18日に行われた台湾プロ野球(CPBL)中信ブラザーズ-楽天モンキーズ戦で、再び“疑惑の判定”が発生した。
一回の裏、中信ブラザーズの攻撃。二死一、二塁から八番・江坤宇の左前打で二走・陳子豪が本塁に突入したが、クロスプレーでアウトとなった。中信の丘昌榮監督がコリジョンを主張してリクエストするも結果は変わらず。再抗議した丘監督は退場となった。
この猛抗議には伏線があった。10日の楽天-中信戦では、楽天の攻撃で同じような本塁上の攻防があり、楽天側のリクエストで判定が覆っていたのだ。リクエスト結果に抗議した丘監督は言い分が認められず、ベンチでペットボトルを壁に投げつけた。
二つの動画を比べると、10日は捕手が走路を空けているが、18日は完全に走路を塞いでいるのが分かる。しかし、判定は10日がコリジョンを取られ、18日はコリジョンにはならなかった。
10日の判定後、台湾の野球ファンの間では「楽天が審判や聯盟を買収している」という声が高まった。SNSなどでの非難が高まったことに対し、楽天モンキーズはSNS上で「球団の名誉を傷つける行為に対しては法的措置を取る」と警告していた。
だが、18日の判定で疑惑は深まるばかり。この日は中信が13-2で勝利したが、お立ち台にプレゼンターとして参加したファンは「棒球是猿的 這球我說了算(野球はモンキーズのもの ルールはオレが決める)」と書かれたタオルをテレビカメラに向かって広げて見せた。
「球是猿的」は台湾の公共放送が10日の判定を揶揄して放送したフレーズ。楽天球団は問題視し、謝罪を求めているが、多くの台湾野球ファンの共感を得てしまった。
CPBLは18日の判定について「走路を塞いではいたが、走者と捕手の衝突よりもタッチの方が早かった」と説明しているが、10日の判定との整合性は疑問。再度の抗議で退場となった中信の丘監督は「あれで再抗議しなかったらチームに申し訳が立たない」と憤然と語った。
CPBL後期、18日終了時点の順位は以下の通り。楽天は最下位に転落した。
1位 統一 20勝17敗1分
2位 富邦 19勝18敗 1.0
3位 中信 18勝19敗1分 2.0
4位 楽天 18勝21敗 3.0
文/BBNEWS編集部 写真/CPBLTVより