「“微陽性”などない」専門家、次々に否定 巨人・読売コロナ造語

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新型コロナウイルスで陽性となった巨人・坂本勇人と大城卓三は新たに受けたPCR検査では陰性となり、無事にチームに合流する。一方、巨人は「微陽性」という新たなワードを使って2人の状態を説明したが、専門家が次々に「普通は使わない」「専門用語ではない」と指摘している。

夕刊紙は5日、新潟大学大学院医歯学総合研究科の特任教授・田中純太医師のコメントを載せた。「微陽性という言葉は普通は使いません」。陽性と陰性の間のギリギリの数値で判断が難しいという時に、『±』という形で報告されることがあると説明した。

東京新聞は長崎大の安田二朗感染症共同研究拠点教授(ウイルス学)に取材した。「公式に使われたことはないと思う。専門用語でもない」「あいまいな表現。使い方によっては誤解が生じる可能性がある」「陽性だったけど、検出されたウイルス量は極めて少なかった、というのが科学的な正しい表現だ」と訂正している。

国際医療福祉大の高橋和郎教授(感染症)にも聞いている。「初めて聞いた。学会や専門家の間でも使われていない。新たに使うなら、きちんと定義しないと分かりにくいし、伝わらない」。

要するに、「微陽性」という用語は存在しない。巨人と親会社の読売新聞社が「陽性だけど大したことはない」と主張するために創作した「コロナ用語」だ。事実や根拠、データに基づいてわかりやすく正確に伝えるのが新聞社のはずだが、ありもしないワードを作った上に、専門家からは意味も分かりにくいとダメ出しされてしまった格好だ。

創作した理由は4日未明に書いたが、主力の坂本らを離脱させずに6月19日の開幕を無事に迎えるためとみられるが、強引さは相変わらずだ。

◆4日の記事はこちら
・巨人坂本、大城「微陽性」新造語のワケ

「微陽性」を受けて、プロ野球を統括するNPBの井原敦事務局長(元読売新聞運動部長)も開幕にゴーサインを出した。

因みに、読売新聞はこれ以前に紙面で「微陽性」という単語を使ったことはなかった。医療を取材する「医療部」という専門部署まである読売新聞はその後、この造語をどう扱っているのか。

4日に坂本、大城の陰性を報じる際も軽症を強調した。それを伝える文の主語は「新型コロナウイルスの『抗体検査』で、感染後に回復したことを示す『IgG抗体』が検知されながら、PCR検査で陽性と判定された坂本勇人選手と大城卓三選手」である。長い。

さらに、経過を説明する部分では、「陽性判定ぎりぎりの『微陽性』だったことから、保健所の指導に従い、3日午後に入院していた」と書いている。繰り返すが、「微陽性」という用語は存在しない。陽性は陽性。「陽性だけどウイルス量は少なかった」が科学的な正しい表現だ。読売グループは「新聞社」というよりも「興行主」の立場でニュースを発信してしまっているようだ。

文・写真/BBNEWS編集部

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