「セイバー先駆け」サッカー界へ「マネーボール」モデル

ニュース エンタメ・話題 MLB(大リーグ)

野球界に革命をもたらした元GMがサッカー界に転身すると、話題になっている。米大リーグ・アスレチックスの前GMで上級副社長のビリー・ビーン氏(58)がイングランド・プレミアリーグ王者リバプールの経営に関わる可能性がある。10月中旬に米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたのをきっかけに、欧米のスポーツメディアが連日、続報を出している。

WSJの記事によると、ビーン氏が共同オーナーを務めるベンチャー企業「レッドボール」が、レッドソックスとリバプールを所有するフェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)と合併を交渉しており、レッド社がFSGの株を取得すると見られている。FSGの株式総額は80億ドル(8000億円)。ビーン氏はレッドソックスよりもリバプールの経営に興味があるという。

俳優ブラッド・ピットが演じる若きGMが、経営難に苦しむ球団を再建する姿を描いた映画「マネーボール」は2011年に米や日本で公開された。ブラピは統計学に基づく「セイバーメトリクス」に活路を求めた。低予算で選手を獲得し、采配も決める。モデルになったのがアスレチックスGMのビーン氏である。

ビーン氏の名とセイバーメトリクスが広まるきっかけとなったのは03年。ノンフィクション作家マイケル・ルイスによる単行本「マネー・ボール」が米で発売され、反響を呼んだ。本塁打でなく、四球を選ぶことを含めた出塁率と長打率を重視し、犠打や盗塁を避けることを推奨。ビーン氏は実際に、毎年のようにプレーオフに出場するチームを作り上げた。松坂大輔がプレーしたレッドソックスのように、アスレチックスを模倣するチームが続出した。

日本語版は04年に出版された。ドラフト候補を探す場面では、アメリカ代表やレッドソックスで四番も務め、楽天でもプレーしたユーキリスの名前も登場する。出塁率の高い大学生として、アスレチックスが指名リストに入れた。

OPSを重視する考え方などは大リーグだけでなく、NPBにも広まっている。ビーン氏がサッカー界に、セイバーメトリクスほどの「改革」を起こすかは不明だが、動向が注目されている。

文/BBNEWS編集部 写真/BBNEWS、MLB公式サイトより

関連記事