広島の佐々岡真司新監督が7日、就任記者会見を開き、守り中心の広島野球を継承する考えなどを語った。
会見での発言は以下の通り。
【佐々岡監督記者会見】
「このたび、広島東洋カープの監督になることになりました佐々岡です。先ほど、松田オーナーから温かい言葉をいただきまして改めて身の引き締まる思いでいっぱいです。選手で18年、コーチで5年、そして今回大役を任され、今年の経験を反省して来季、V奪回、そして日本一を目指して全身全霊を込めて務めさせていただきます。これからもよろしくお願いします」
――監督に就任した感想は
「まず球団の方から『監督をお願いする』という言葉をもらった時、正直、本当にありがたい気持ちと、自分でいいのかなという不安の気持ちが、両方ありました」
――引き受けることを決めてからは
「決めてからは本当にカープのため、今年の悔しさをバネに、もう一度優勝するんだという気持ちに変わりました」
――家族の反応は
「最初この話をいただいたときに、自分1人では決められないということで、家族、息子、娘にも話をした時、最初は驚き、冗談じゃないのというぐらいの感じでしたけど、自分がやると決めた瞬間から、家族の中でしっかりと、どういうことがあろうと、何を言われようと、しっかりと応援するよと言ってくれました」
――現役時、FA権を取得した時に「大好きな球団だから」という話をしたが、その球団で監督をする
「プロ野球に入るときに、好きな球団に入れて、18年間選手をさせてもらい、そしてこの5年間コーチもして、最後もこういう監督を任される。そんなに、プロ野球でもできない仕事。ましてや好きな球団でできるという喜びの方が、今自分の中にありますし、まだまだ恩返ししたいという思いもありながら、しっかりとやっていきたいと思います」
――投手出身の監督は球団では53年ぶり
「自分としては意識せず、自分の色というか、やはりこれまでの監督、今年の緒方監督がやってきたカープ野球、基本はそういうところを守って、投手中心の野球をまずは基本としてやっていきたいと思います」
――理想とする監督、手本とする監督は
「入った時の監督が山本浩司さんであり、若い時から教えられたこと、また歴代その後の監督、そして今年の緒方監督、見てきた中で基本は変わらないと思いますし、自分もその野球というものを引き継ぎ、それプラス自分の色を出せればなと思っています」
――カープをこれからどのように
「ピッチャーしか今まで見ていなかった中で、当然ながら先発陣の充実、そして今年の戦いの中で、いろいろ見た中でやはりリリーフ陣の弱さというか、故障でいなくなったりとか数が足りなくなったり、勝てるような展開でも逆転をされたり、リリーフ陣をもっともっと充実しなければならないと思いますし。バッターにしろ、基本は投手中心でしっかり守るという広島野球ではありますけれど、今の時代、やっぱり打たないと勝てないという事実も思ってます。基本は基本としてしっかり、ピッチャーも打者もレベルアップしないといけないと思います」
――今シーズンの分析は
「まずはピッチャー。その中でも、新しいピッチャー、若い選手が育ってきている中、それととともに戦わなければならない。ほかの球団と比べても、そんなに、実力的にも十分戦える。今年Bクラスで終わりましたけど、優勝できる戦力だと思っています。その戦力を十分生かせるようやっていきたいですし、目標は優勝、日本一というのは変わらずにやっていきたい」
――秋のキャンプは
「なかなかまだそこまで頭が回ってないですが、いろんなコーチ陣と話をしながら、秋季練習、11月のキャンプに向けていろいろ話し合いながら、実戦も多くなるだろうし、その中で若い選手は今フェニックスでやっている中、いい結果が出た者がまた一軍のキャンプに行けるだろうし。とにかくチームを明るく、コーチ、そして選手、みんなが、一体になるような、そういうチームづくりをしていきたい」
――一軍、二軍での経験をどう活かす
「二軍で4年間見てきて、また一軍で、いろいろ見てきた中で、やっぱり若い選手にもチャンスを与えられる、それだけ実力がないとだめですけど、しっかりと。カープの野球は若手を使いながら勝っていく、そういうものと思ってますので、どんどんアピールをしてもらって、二軍から一軍に上がれるように、しっかり見ていきたい」
――現役時代は投げ込み重視
「そこは今の野球、トレーニングの違いもある。昨年一軍コーチになったときに、先発調整というところをしっかりと投げて覚えてもらわないといけないところもあるだろうし。僕らの時代みたいに300球とかそういう選手はなかなか出てこないと思いますけど、やっぱり投げないと、打たないと。体に染み付けるのが練習だと思ってますんで、そういうところは選手もしっかり分かってやって欲しい」
――どういうチームにしたいか
「現役時代もそうですし、コーチになっても、気持ちは変わらないんですけど、チーム全体、野球は一人でできるものではないし、ピッチャーは助けてもらうものだし、野手もピッチャーのためにという気持ちで、チーム愛が浸透し、みんなで一つの目標に向かって勝った喜びを味わう、負けた悔しさを味わう、そういうベンチであって欲しいですし、みんなに愛される、そういうチームになっていきたい」
――ファンにメッセージを
「僕が引退するときに、旧市民球場、最後の球場が真っ赤に染まった中で、僕は最後、真っ赤に染めて選手たちに声援をくださいという言葉を残して辞めたわけですけど、今のこの時代、本当にファンのみなさんは毎試合、スタンドを真っ赤に染めてもらって、選手の力を支えてくれてると思いますし、ビジターでも半分以上を真っ赤に染めて応援してくださっている。そういう姿というのは選手にとって、我々スタッフにとって力になると思うので、また来年も選手全員で優勝、日本一を目指して頑張りますので、引き続き、真っ赤に染めて応援してほしいなと思います」
――キーマンになって欲しい選手は
「1人に絞るのはなかなか難しい中で、ピッチャーといったら、エースとして引っ張ってくれた大瀬良大地。ピッチャーを引っ張っていってほしい。バッターでは中心選手の菊池(涼)とか会沢、(鈴木)誠也。誠也が本当に引っ張っていってほしいなと思います」